ホーム ポッドキャスト エンタメビジネス実況中継
エンタメビジネス実況中継

エンタメビジネス実況中継

朝日けけ。 51 エピソード 9月 25, 2026

エンタメ業界で15年のキャリアを持つ朝日けけが、漫画・アニメ・ゲーム・キャラクターIPなどの新規事業の最前線で起きているビジネス動向を、毎回ひとつ取り上げて語る番組です。基本はひとり語りで、ときにはゲストを迎えながら30分にわたって掘り下げます。分析や解説ではなく、その時々の動きをそのまま伝える「実況中継」として届けられます。配信はSubstackで行われています。

エピソード

ミン・ヒジンは「自分が欲しいもの」しか作らない。
ミン・ヒジンは「自分が欲しいもの」しか作らない。 9月 25, 2026 1278 「表紙の依頼を断ってきた人が、なぜ今回は受けたのか?」2026年9月発売の『Casa BRUTUS』に、ミン・ヒジンさんが登場しました。韓国の雑誌からの表紙依頼は断ってきたと話す彼女が、今回は自宅を公開し、26ページの特集にも参加しています。その理由を、編集長と出演したラジオ番組で語っていました。わたしはNewJeansが大好きです。曲やダンスだけでなく、全体を貫くクリエイティブにも惹かれてきました。だから今回の話を聞いて、ミン・ヒジンさんが何を基準に仕事を選び、仲間へ意図を伝えているのか、改めて考えました。表紙を引き受ける判断、ooak recordsの名前、コラボグッズ、東京ドーム公演でのスタッフへの任せ方。別々に見える行動の根には、「自分が欲しいもの、自分がお客さんなら体験したいものを作る」という同じ基準があります。今回は記事で挙げた10の選択を、耳で追える順番で話します。なぜ表紙を
Netflix『ダウンタイム』完走レビュー 患者8人に見る「仕事」のための美容整形。感想・考察・ネタバレ
Netflix『ダウンタイム』完走レビュー 患者8人に見る「仕事」のための美容整形。感想・考察・ネタバレ 9月 23, 2026 648 「患者8人の半分は、仕事のために顔を変えた。」Netflixシリーズ『ダウンタイム』では、患者が1人ずつ美容外科を訪れ、手術を受け、去っていきます。美容整形の闇を暴く業界ドラマに見えましたが、1話の声優志望・田中善子のエピソードから、わたしの見方が変わりました。声の仕事なのに、顔で落とされる。顔を変えるお金を作るため、彼女はパパ活をする。痛々しい手術よりも、その構造のほうが見ていられませんでした。そこで手術の内容ではなく、患者がなぜ整形するのかを数えてみました。公式相関図に載る患者8人のうち、4人の理由は仕事でした。声優、インフルエンサー、キッズYouTuber、東京都知事。顔が商品になる人にとって整形は体への設備投資であり、仕事を失うことは生きる場所を失うことと同じです。一方で、尊厳のための美と、病としての美も登場します。同じ手術が投資にも、救いにも、害にもなる。今回は患者8人の理由を手
2026年の新作アニメ、原作の半分以上はWeb発。アニメ原作マップを更新。
2026年の新作アニメ、原作の半分以上はWeb発。アニメ原作マップを更新。 9月 20, 2026 700 「新作アニメの原作、半分以上はWeb発でした。」2026年に初めてアニメ化される作品は、もともとどこで生まれたのか。紙の漫画誌、漫画アプリ、小説投稿サイトなど、原作が最初に世に出た場所をたどる「アニメ原作マップ」を、秋の放送予定まで加えて更新しました。前回の8月8日版では146作品を調べましたが、秋アニメはまだ出そろっていませんでした。そこで今回は、新たに25作品を追加。年間171作品に広げるとともに、秋開始58作品の中身も別の角度から整理しています。更新後も、Web漫画・アプリと小説投稿サイトを合わせたWeb発は54.4%。作品が25本増えても、前回の54.1%からほぼ動きませんでした。一方、秋の58作品には新規33本と既存系25本が混在しています。今回は、原作がどこから来たのかと、今回のアニメが新規・続編・リメイクのどの段階にあるのかを分けて見ます。分類に迷った3作品の事例も通して、い
任天堂は11年前に「40年続くIP」の作り方を言っていた。ゼルダ40周年で見えたこと。
任天堂は11年前に「40年続くIP」の作り方を言っていた。ゼルダ40周年で見えたこと。 9月 18, 2026 1403 「40年前のゼルダが、なぜいま、ここまで大きなニュースになるのか。」2026年9月8日と9日。任天堂が、初めて2日続けてNintendo Directを配信しました。『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のSwitch 2版、実写映画、ゼルダ柄の本体、40周年コンサート、ニンテンドーミュージアム、スマホアプリ。ゼルダに触れる場所が、一気に並びました。ニュースとしては、ここまででお腹いっぱいです。でもわたしには、ひとつ引っかかった問いが残りました。40年前に生まれたゼルダが、なぜ2026年に、ここまで大きなニュースになるのか。なぜ新作が出るたびに、ファンの期待を越え続けられるのか。2日間を続けて見ると、これはお祝いではないとわかります。9月8日は、ゼルダという一つのIPを縦に深く掘る日。9月9日は、遊び場のほうを横に広げる日。新作もリメイクも昔のゲームも、同じ番組に並ぶ。縦と横が交わるところに、いま
『オデュッセイア』が10倍面白くなる。「掟」で全部つながる10問10答 | 解説・考察
『オデュッセイア』が10倍面白くなる。「掟」で全部つながる10問10答 | 解説・考察 9月 14, 2026 1159 「なぜ、見ず知らずの旅人をあそこまでもてなすのか。」クリストファー・ノーラン監督の『オデュッセイア』を、9月10日のアイマックス先行で観てきました。上映時間は172分。観終わって2日たっても、頭のなかは映画のことでいっぱいのままです。引っかかった場面が、いくつも残っていました。冒頭でポリュペモスが父に告げ口する、あの父は誰なのか。なぜ見ず知らずの旅人を、あんなに手厚くもてなすのか。なぜ死者を弔わないことが、あそこまで責められるのか。アテナが味方なのに、なぜほかの神には苦しめられるのか。観終わってから原作と神話の資料を読み直したら、引っかかりのほとんどが、たったひとつの前提で説明がつきました。神々は人間と同じ世界に住んでいて、直接口を出してくる。そして、その世界には人間が守るべきルールがある。今回は、その前提を10個にまとめました。はじめの3つで神々とルールの話を、残りの7つで、そのルールが
『オデュッセイア』の吟遊詩人をトラヴィス・スコットにした理由。クリストファー・ノーランが2,700年前の話を現代につないだやり方とは |  感想
『オデュッセイア』の吟遊詩人をトラヴィス・スコットにした理由。クリストファー・ノーランが2,700年前の話を現代につないだやり方とは |  感想 9月 12, 2026 721 「勝った英雄が帰れない。その旅に、なぜ心が動くのか。」9月10日、先行上映のIMAXで『オデュッセイア』を観てきました。すごくよかった。でも、観ているあいだは何度も絶望しました。まだ序盤なのに仲間が次々と倒れ、こんな相手にどうやって勝つのかと途方に暮れる。そんな苦しい旅の最後に、心からうれしくなったんです。わたしも仕事で人を率いてきました。自分の判断についてきてくれた人に苦労をかけることもある。結果が出ても、その人が苦しんだ時間までなくなるわけではありません。その実感が、英雄オデュッセウスが死者と向き合う冥界の場面に重なりました。木馬の作戦を考え、戦争に勝ったオデュッセウス。その勝利にも、命を落とした人の人生があります。自分の知恵で人を動かした男が、帰還にあたっては人の忠告を守る。もう帰れない人たちの言葉が、生きている家族を守る行動につながっていました。今回は巨人兵の絶望、冥界での対話、慎
『スプラトゥーン』は、なぜイカにたどり着いたのか。その軌跡から見えた「コンセプトのつくり方」。
『スプラトゥーン』は、なぜイカにたどり着いたのか。その軌跡から見えた「コンセプトのつくり方」。 9月 11, 2026 581 「豆腐で面白かったゲームに、なぜイカが必要だったのか?」白い豆腐と黒いゴマ豆腐が、鼻からインクを出して陣地を奪い合う。『スプラトゥーン』の始まりは、そんな試作でした。そこからヒト型、ウサギを経て、ようやくイカにたどり着く。Xに投稿して反響があったこの開発秘話を、もう少し追いかけてみました。わたしが面白いと思ったのは、イカというモチーフが見つかるまでの考え方です。試作の時点で、遊びには手応えがあった。それでも、キャラクターの姿を変えると、面白さを支えていた条件が崩れてしまう。この行き来に、コンセプトをつくる仕事の大事な部分が見えます。インクを塗ると隠れられ、相手の位置を読む遊びが生まれる。ところがヒト型では姿が見え、壁を塗っても勝敗にはつながらない。ウサギには見やすさの利点があるものの、なぜインクを撃つのかは説明しにくい。それぞれの案が持つ長所だけでは、条件は揃わなかったんです。隠れる、移動
holo Indie、Roblox、Fortniteから見る「二次創作によって拡張されるIP」の躍進。
holo Indie、Roblox、Fortniteから見る「二次創作によって拡張されるIP」の躍進。 9月 9, 2026 953 「ファンがつくったゲームは、どれだけ遊ばれたのか?」好きなキャラの絵を描く。切り抜き動画をつくる。作品の設定を使って、自分でもゲームをつくってみる。ヒットしたエンタメの周りには、二次創作で遊ぶ人がいます。2026年6月時点で、holo Indieの作品は40タイトル超、累計300万ダウンロードを超えました。ヒットの大きさを語るとき、わたしたちは興行収入や発行部数、再生数を見ます。でも、ファンが何をつくり、それがどれほど遊ばれたかは、見落としがちでした。今回は、公式作品の周りで育っている創作を、各社が公開する数字から考えてみました。カバーは二次創作ゲームの販売を支え、Robloxはクリエイターへの還元に関わる費用を決算で公開しています。Fortniteも、プレイヤーがつくったゲームの利用時間を公表する。一方で、応募を審査する人の数や、収益の大きな偏りという課題もあります。どこまでつくってよい
マンガのアプリは消えるが、作る編集部は残る。
マンガのアプリは消えるが、作る編集部は残る。 9月 6, 2026 1224 「金額は増えているのに、読む場所は減っています。」2026年の夏、電子コミック市場が伸びたという発表のすぐ後に、まんが王国の業績予想下方修正と、13年続いたcomicoの終了が伝えられました。市場規模は大きくなっているのに、読者が集まるはずのアプリは減っていく。逆向きに見える出来事が、ほぼ同じ時期に起きています。わたしも最初は、電子マンガが縮みはじめたのだろうと考えました。しかし、2026年上半期の電子コミック市場は2,593億円で前年同期比2.5%増。数字だけを見れば、その読みは外れています。そこで売上の中身と、各社が残そうとしている機能を分けて見直しました。見えてきたのは、市場を押し上げる割引やポイント還元の一方で、課金する読者が減っている構造です。LINEマンガの課金ユーザーは4月から6月の3か月で9.5%減少。作品を作る力と、読者を自社アプリへ集める力を、ひとつの会社で抱える前提が
HANAを追いかけたら「歌姫」が消えた理由に気づいた。
HANAを追いかけたら「歌姫」が消えた理由に気づいた。 9月 5, 2026 1069 「歌姫は、どこへ行ってしまったのでしょうか。」HANAを追いかけていると、どうしても気になってしまうことがあります。歌がうまくて、女性からの支持も厚くて、曲もファッションも話題になる。もしいまが2000年前後だったら、きっとすぐに「歌姫」と呼ばれていたはずなのに、いま、その言葉をかける人がいません。そういえば「歌姫」という響き自体、ここ数年ほとんど耳にしていない。Billboard JAPANの2025年年間アーティストチャートでは、HANAが5位、YOASOBIが9位、ちゃんみなが10位、あいみょんが11位、Adoが19位。女性がボーカルの名前が上位に並んでいるのに、誰もその言葉を使わないのです。歌姫に必要だったのは、歌のうまさだけではありませんでした。倖田來未さんの「エロカッコイイ」が流行語大賞で受賞したとき、受賞者の欄にあったのは言葉ではなく本人の名前。西野カナさんは同世代の気持ちを
「SPEED」は青春そのもの。
「SPEED」は青春そのもの。 8月 29, 2026 1001 「こんな子たち、見たことがない。なのに、学校にいた気がする。」ラブ上等2を見ながらNewJeansの記事を書き終えたあと、頭の中に戻ってきたのはSPEEDの思い出でした。1996年、日本テレビの『THE夜もヒッパレ』で、まだSPEEDという名前すらなかった4人を見ていたときの記憶です。エンタメ業界15年、複数事業を統括してきた立場から、人が売れていく過程はいくつも見てきました。それでも、あの4人がスターになっていく順番を目撃したときの驚きだけは、いまも説明しきれずにいます。公式サイトによれば、4人が番組で本格的に活動を始めたのは1995年10月、「SPEED」という名前がついたのは1996年1月13日でした。名前も自分たちの曲もない状態から見ていたからこそ近く感じられ、そして同じ順番は二度と再現できませんでした。今回は、SPEEDの1335日を最年少メンバーの学年に重ねて数え直し、NewJ
13年待った。『まどか☆マギカ』新作公開までの順番が美しい。
13年待った。『まどか☆マギカ』新作公開までの順番が美しい。 8月 29, 2026 771 「13年待った続編の始まり方が、美しい。」昨日2026年8月28日、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』が公開されました。13年前の『新編 叛逆の物語』の正統な続編で、シリーズ初のIMAX同時公開です。わたしは2011年のテレビ放送時、前情報をいっさい持たずに観始め、途中の展開にまともに殴られました。それ以来の特別な作品です。新作はまだ観ていませんが、公開までの順番だけで、すでに作品らしさを感じました。公開2週間前から『叛逆の物語』を新作と同じ287館で再上映し、終了後に新作の冒頭約5分を連続上映。過去を思い出した直後に新しい断片を渡すこの設計は、次回を1週間待つ時間まで作品体験にしたテレビシリーズと重なります。今回は、20億円を超えた『叛逆の物語』から13年、制作発表から5年4か月という時間をたどります。主要スタッフの再集結、新しい2人の魔法少女、リバイバル上映から新

おすすめ